2007年06月14日
TBS総務局 広報IRセンター

本日午後1時、表題の件につき、東証TDnetにて情報を開示しましたので、お知らせいたします。

 当社は、本日付け当社プレス・リリース「『当社株式にかかる買収提案への対応方針』にもとづく当社企業価値評価特別委員会への諮問について」において別途公表のとおり、本日、当社取締役会が、その社外諮問機関である「企業価値評価特別委員会」(以下「特別委員会」といいます)に対して、楽天及びそのグループ(以下「楽天」といいます)による平成17年8月以降の当社株式の一連の大規模買付行為と本年4月19日付けの買増し方針の通告、並びにこれに伴う同日付けの同社提案の内容について評価・検討を行うこと、また、当社が平成17年5月18日付けで発表し本年2月28日付けで改定致しました「当社株式にかかる買収提案への対応方針」(以下「対応方針」といいます)所定の対応措置の発動の当否に関する勧告を行うこと等について諮問し、これにより対応方針所定の「取締役会評価期間」を開始することと致しました。

 上記諮問は、本来、当社企業価値と当社株主の皆様共同の利益を保全する観点から、対応方針所定の必要情報が十分に収集された後に行われるべきところ、下記の経過のとおり、楽天の回答に関する姿勢については変化が見られないため、当社としては、これまでと同様の形式で取締役会から質問を重ねても、当社が十分と考える情報の提供及び回答を得ることは困難であると判断し、やむを得ず、上記諮問により、取締役会評価期間において、別途の調査・検討を特別委員会に要請するとともに、当社取締役会としても調査・検討を継続することとしたものです。

 当社株主の皆様及び投資家の皆様には、以上の状況につきご留意いただきながら、ご判断の参考としていただくため、対応方針にもとづく楽天からの情報収集に関するこれまでの経過と楽天の提案・回答内容に関する当社の見解について、下記のとおり、お知らせするものです。

I 対応方針にもとづく楽天からの情報収集の経過

 楽天は、当社に事前の通告を行なうことなく本年4月19日付けで当社株式の買増しを実行してその保有割合を19.86%にまで高めた後、同日付けで「買付意向説明書」と題する文書(以下「説明書」といいます)を当社に手交して、当社株式の当面の保有割合を20%を若干超える程度までさらに引上げることにより当社を同社の持分法適用会社化したい旨、及び事業提携を行ないたい旨の通告を当社に対して行ないました。
 これを受けて、当社は、対応方針所定の事前対応の手続を、同月27日付けで楽天に対して開始することを決定するとともに、同日付けで同社に対し「要請書」を送付して、説明書の不明部分につき、具体的かつ詳細な回答を求めました。
 これに対し、楽天からは、本年5月2日付けで回答書が当社に提出されましたが、事前対応の必要情報として収集すべき事項に関し、同社からは回答がないか、あるいは具体的な説明がない事項が相当の部分を占めたことから、当社は、同月15日付け、さらには本年6月4日付け当社書面によって、繰り返し同社に十分かつ具体的な説明を行うよう強く要請したところです。それらの要請は、楽天による一連の当社株式の大規模買付行為が当社の企業価値や株主価値を毀損する行為に当たらないかどうかや、対応措置発動の当否等を当社取締役会、特別委員会さらには当社株主の皆様が判断するための必要情報を収集するためのものであります。
 しかしながら、楽天の回答姿勢にさしたる変化はなく、同社からの本年5月21日付け再回答書面及び6月7日付けの再々回答書面によっても、上記必要情報の収集を十分に行なうことはできませんでした。
 また、この間、特別委員会においても、楽天の説明書及び同社からの上記一連の回答書面(以下併せて「楽天の説明・回答」といいます)等の資料を精査の上、同社の説明を不十分と判断し、特に、同社の当社株式保有割合に関し、20%を若干超えた水準から後の買い付け方針を確認したい旨の表明があったために、当社は、上記6月4日付け書面において、特別委員会のかかる意向を指摘させていただきつつ、この点を含め改めて同社の方針を尋ねたところでありますが、同社においては、将来における一方的な当社株式の買増しの可能性を否定するには至っておりません。
 楽天側は、その回答書面において、当社の意を汲んで誠実に回答した旨を記載しておりますが、守秘義務、見解の相違、濫用的買収者であるか否かの判断とは無関係であるといった主張と釈明を繰り返して、大部分の回答内容は、結局、抽象的なものに留まっております。

II 楽天の回答経過とその内容に関する当社の見解

 上記の楽天の回答経過とその内容に関する当社の見解を、以下のとおり6つのポイントに分けてご説明致します。

1.当社株式に対する楽天の取得方針について

 楽天グループによる今般の当社株式の買増しについて、楽天は、その当面の持株比率を「20%を若干超える程度」あるいは「21%程度」としていますが、その買増し後、中長期的にさらに当社株式を取得する意向の有無等については、結局、「21%程度を超えて貴社株式を保有する可能性については、全くないと断定することはできません。」(6月7日付け回答)と回答してきており、「21%程度」をさらに超えた当社株式の取得を行うことはないとの確約は、楽天から一切得られておりません。
 そもそも、特定の大株主が当社株式を発行済株式総数の20%近く保有し、かつ、当該大株主とそのような株式保有を前提とした業務提携ないし共同事業を行うことは、当社の放送局としての不偏不党性及び中立性に対する社会からの評価・信頼を基礎とし、全方位的業務提携を旨とする当社の経営方針ないし経営計画等(下記4.参照)に悪影響を及ぼすため、当社企業価値の毀損につながるものと考えられることから、当社としては、従前の業務提携協議の際には、平成17年11月30日付け覚書において「楽天のTBSに対する最終的な出資比率等については、両社で協議する」ものとし、当該出資比率の引き下げを楽天に要請してきたものです。
 にもかかわらず、楽天はこの点について何ら理解を示すことなく、当社がこれまで真摯に業務提携協議に応じ、楽天の提示する業務提携ないし共同事業のイメージを踏まえ、当社において26項目にわたる具体的な業務提携案を提示して協議を継続してきたにもかかわらず、結局これに応じることなく、今般、当社株式の買増しの意向を表明するに至っております。
 他方、下記3.に記載のとおり、楽天は、当社を持分法適用会社化することにより、当社との業務提携等について「より踏み込んだ取組」が可能となる等としておりますが、その具体的な内容については、今後の協議により具体化すべきものとするのみであり、当社の度重なる質問に対しても、何ら具体的な内容は示されておりません。
 したがいまして、楽天による当社株式の「21%程度」までの買い増しによる当社の持分法適用会社化及びこれを前提とする楽天との業務提携等が、当社の経営方針や、他社との既存の又は潜在的な共同事業に及ぼし得る悪影響を上回るシナジーないしメリットを当社にもたらすとの保証はなく、当社が、楽天の希望する内容の業務提携等に応じるべきではないとの判断に至る可能性は少なからずあるものと考えられます。 また、当社がそのような判断に至った場合には、楽天が21%をさらに超えて当社株式を取得することを検討する際の重要なファクターとなり得るとする「当社との友好関係が構築できているかどうか」という点において、友好関係が構築できないと主張して、「21%程度」を超えるさらなる当社株式の買増しを行うこととなるおそれもあるものと考えられます。
 なお、楽天が本年6月6日に公表しておりますとおり、同社の100%子会社である楽天メディア・インベストメント株式会社は、同日申し立てた当社に対する帳簿閲覧謄写請求の仮処分の申立てにおいて、当社が企業価値の最大化及び株主共同の利益の最大化に向けて実施してきた業務関係先等の株式の取得について、当社取締役に善管注意義務違反や特別背任罪を構成する可能性があり、違法性等が疑われる場合には責任追及の訴えの提起を請求するといった主張を行い、また、その旨を積極的に対外表明しております。このため、当社と致しましては、既に楽天との「友好関係」の継続に懸念を覚えざるを得ない状況にあるといえます。
 以上の諸点を踏まえて、楽天グループによる今後の当社株式買増しの意向につき、より明確に確認・検討する必要があると考えております。

2.楽天によるこれまでの当社株式の取得について

 対応方針においては、買付け等の後における株券等保有割合が20%以上となるような買付け等を大規模買付行為等に該当するものと位置付けており、かかる大規模買付行為等を行う買収者グループが対応方針に定める濫用的買収者に該当するか否かを判断するに当たっては、当然買収者グループが当社株式を取得するに至った経緯を含めて判断すべきものです。
 また、対応方針は、平成17年5月18日付けで導入した「当社株式にかかる買収提案への対応方針」の改定であり、楽天グループによる当社株式取得は、その経緯全体が当社取締役会、企業価値評価特別委員会及び当社株主による評価の対象になるものです。そもそも、楽天グループの保有株式の大部分は平成17年中に取得されたものであり、その経緯に関する疑義が解明されないままでは、当社取締役会、企業価値評価特別委員会及び当社株主が適切な判断を行えないことは明らかです。
 楽天グループによる平成17年の当社株式の取得に関しましては、各種メディアの記事において、楽天又は同社三木谷社長によるインサイダー取引規制違反等に関する疑義が示唆されておりますところ、楽天グループによる当社株式の取得に法令違反がある場合には、楽天グループのガバナンス体制(下記5.参照)に関する問題であると同時に、楽天による大規模買付行為等がなされた場合、かかる法令違反を含む当社株式取得の結果、当社が楽天の持分法適用会社となることから、当社としては、この点を含めて楽天グループによる大規模買付行為等の検討・評価を行う必要性が高いとの判断にもとづき、この点に関する事実関係の確認を求めております。
 しかしながら、楽天は、そもそも平成17年の当社株式取得について質問することは、「『濫用的買収者の排除』という観点からは、明らかに過剰な運用方針である」等とし、「これまでの貴社株式取得について、弊社又は三木谷によるインサイダー取引規制違反を含む法令違反は一切ございません」、「合意、協議又は意思連絡は行っていない」等といった自己評価を伴う結論を回答するのみであり、インサイダー取引規制違反に関する疑義を示唆する客観的事実の有無について確認を求める当社の質問に対しては、直接回答しておりません。
 なお、本年6月6日には、一部マスコミにおいて、楽天の三木谷社長個人ないし個人の資産管理会社がいわゆる村上ファンドに対して1億円の投資を行っていたことが具体的資料によって明らかとなった旨の報道がなされております。当社としても、村上ファンドの代表であった村上世彰氏がインサイダー取引規制違反により逮捕、起訴されている経緯に鑑み、この点についてはかねてより懸念を有しており、今般の事前対応手続においても質問を行っていたところでありますが、楽天からは回答をいただいておりません。三木谷社長と村上ファンドとの関係の詳細は、楽天による平成17年8月から10月にかけての当社株式の大量取得の経緯の不透明さを解明するためにも事実確認を行うことが不可欠な点である(仮に三木谷社長が村上ファンドへの出資者として村上ファンドの当社株式の5%以上の取得状況につき報告を受けていたとすれば、楽天による上記の当社株式の大量取得にはインサイダー取引規制違反との抵触の問題が生じかねない)ところ、このように一貫して回答を拒否し続ける楽天の対応は不可解と考えております。
 当社と致しましては、かかる事実の有無の確認は、インサイダー取引規制違反等の有無について当社が自ら判断するために必須のものであり、当社株式の取得に関連する事実として各種メディアにおいて報道がなされている以上、当社株式の取得にかかる法令違反の有無について検討・評価すべき当社としては、これらが客観的事実かどうかを確認すべきであると考えていますが、再質問及び再々質問にもかかわらず、楽天からはこの点について回答を得られず、当社が判断するに足る情報は得られておりません。

3.楽天の業務提携案の具体的内容及び当該業務提携案と当社株式保有との関係について

 「楽天の説明・回答」において楽天が提示している業務提携案は、抽象的かつ漠然とした形でしか示されておらず、これまでの長期に亘る業務提携交渉において楽天からイメージとして提示された内容と特段変わりがないものであって、当社との業務提携等により「先駆者的利益」を当社ステークホルダーと享受するとする楽天の提案を評価・検討するには未だ不十分であるといわざるを得ません。特に、楽天は、当社を持分法適用会社化することにより、「より踏み込んだ」業務提携を提案することが可能となるとしておりますが、その具体的内容については、再質問及び再々質問によっても示されておりません。
 また、これまでの長期にわたる業務提携交渉が実を結ばなかった理由について、楽天は、当社が楽天による当社株式の売却を共同事業の前提とする固い意向を有していたためであるなどとしております。
 しかしながら、上記1.に記載のとおり、当社としては、特定の大株主が当社株式を発行済株式総数の20%近く保有し、かつ、当該大株主とそのような株式保有を前提とした業務提携ないし共同事業を行うことは、当社の放送局としての不偏不党性及び中立性に対する社会からの評価・信頼を基礎とし、全方位的業務提携を旨とする当社の経営方針ないし経営計画等に悪影響を及ぼし、当社企業価値を毀損するおそれがあることから、楽天グループによる当社株式保有比率の引き下げを求めていたものであることは、繰り返し楽天に伝えてきたところです。
 楽天が、全方位的業務提携を旨とする当社の経営方針ないし経営計画等や他社との既存の又は潜在的な共同事業に及ぼし得る悪影響を上回る「先駆者的利益」をもたらすような提案をすることが可能なのであれば、今般の買増しを待つことなく、これまでの長期に亘る提携協議期間中に提案が行われてしかるべきものであったと考えられますが、楽天自らの提案は現在に至るまで抽象的なイメージに止まって具体性に乏しく、今般の事前対応においても、楽天から「先駆者的利益」をもたらすような具体的提案は何らなされておりません。
 したがいまして、業務提携交渉が実を結ばなかったのは、当社が楽天による当社株式の売却を共同事業の前提とする固い意思を有していたためだとする楽天の主張は受け入れ難く、むしろ、楽天は、当社との個別・具体的な業務提携等よりも、当社との資本関係それ自体、最終的には当社を支配することにこそ強い関心を持っているのではないかと考えるのが自然とすらいえます。
 また、楽天は、今般の通告にかかる買増しによる当社の持分法適用会社化により、これまでの業務提携交渉においては具体化されなかった提携案が当社を持分法適用会社とすることによって具体化されるとしておりますが、その根拠は、持分法適用会社化による当社の業績が楽天の連結業績に反映されるため、他社と比べて当社との事業提携上の実績向上に対する強いインセンティブが働くという、抽象的でありかつ説得的とは言い難い根拠を示すに止まっており、それ以上の具体的な根拠は示しておりません。
 上記の諸点につきましては、これまでの楽天の説明・回答及び今後得られる情報を踏まえ、さらなる精査・検討を要するものと考えております。

4.楽天提案が当社に及ぼし得る影響について

 上記3.においてもご説明しているとおり、平成17年11月30日付け覚書の締結以後、当社が楽天グループによる当社株式の保有を看過できないとして持株比率の引き下げを要求してきた理由は、特定の大株主によって経営を支配されず、放送局として不偏不党・中立的であるという社会からの評価・信頼を基礎として、分野に応じて当社がシナジーによる利益を最も享受し得る最適な業務提携先と提携を実現し、全体としては多彩な業務提携先との間で全方位の関係を構築していくことこそが、放送事業者として良質な番組を社会に安定的に供給することを可能にするとともに、当社の企業価値と株主共同の利益を最大化していく途であると確信しているからです。
 実際に、当社におきましては、特定の提携先とではなく多彩なパートナーとの間の全方位の関係を前提として、中期経営計画「V!up 2010」を遂行して企業価値の向上に取り組んでおり、既にその成果も着実にあがっているところです。
 当社が楽天の持分法適用会社となった場合、楽天の意向にかかわらず、楽天の同種事業について、今後当社が楽天以外の企業と協業する可能性が阻害され得ることは明らかであるため、当社が楽天の持分法適用会社となることにより、そのようなデメリットもしくはリスクを上回るメリットを享受できるか否かは重要な判断要素となると考えております。
 しかしながら、楽天の提示する業務提携案が、かかるデメリットもしくはリスクを上回るメリットを当社が享受できるものと判断するには不十分であることは、上記3.においてご説明したとおりであります。
 楽天は、当社を持分法適用会社とした後の経営方針等について、当社経営陣の方針を尊重しつつ、およそ20%の株式を有する株主として、様々な提案と共にこれまで以上に緊密な対話・情報交換をする中で、当社業績又は企業価値向上に寄与するための楽天の考え方を伝えていきたいとし、また、上記のとおり、楽天の提案は排他的なビジネスモデルを想定しておらず、当社が他の企業と公正な取引や連携を行うことを妨げるものではなく、楽天との共同事業は、当社の既存の共同事業との重複の如何を問わず、当社の企業価値の一段の向上に資するものと確信している、としております。また、グランマルシェ、TMモバイル、TCエンタテインメント等の当社グループの既存提携事業と楽天の提案するeコマース分野における事業提携が競合することによる影響については、楽天は、顧客層の重複や主要販路の相違から、一見競合するようであっても両社が前向きに力を合わせていくことにより、双方の事業拡大に貢献し、ウィン・ウィンの関係を構築することが可能と考えている等としております。
 しかしながら、結局のところ、当社と他社との間の既存の又は潜在的な共同事業に対する悪影響(ネガティブ・インパクト)についての楽天の回答は、上記のような抽象的で根拠が明確でない「確信」や「前向きに力を合わせていく」ことによりウィン・ウィンの関係を構築できるとする程度に止まっており、具体的な業務提携案に基づく具体的な検討結果は当社の度重なる質問に対しても何ら示されておりません。
 したがいまして、当社と致しましては、楽天による大規模買付行為等及び楽天との業務提携が当社の企業価値に及ぼす悪影響、すなわち毀損の程度について、今後フィナンシャル・アドバイザーによる精査・助言等も含めて更なる検討を進めていく必要があると考えております。

5.ガバナンス体制について

 当社が楽天の持分法適用会社となる場合には、当社が楽天の影響を一定程度受けることになりますので、楽天が提案するとされる「より踏み込んだ」内容の業務提携を楽天と実施するとしても、楽天のガバナンス体制・内部統制システムが有効に機能していることの確認は不可欠であると考えております。
 この点、楽天は、平成17年度決算及び平成18年度決算に関して、極めて頻繁な訂正を行っており、有価証券報告書についても多数に亘る訂正報告書を提出しているなど、財務報告に関する内部統制や情報開示体制が有効に機能しているといえるかにつき、懸念を持たざるを得ない状況にあります。  また、楽天の子会社である楽天証券は、平成17年11月に「証券業に係る電子情報処理組織の管理が十分ではないと認められる状況」にあるとの点で法令違反行為が認められるとして業務改善命令を受け、また、その後も多数のシステム障害を起こしていることにより東京証券取引所から平成18年3月に戒告処分を受けております。
 この点に関し、楽天の説明・回答では、「2005年秋に行ったシステムの大幅な増強により容量不足は解消され、それ以降は大規模なシステムトラブルは起きることなく今日に至っている。コンプライアンスに関しては、楽天証券は資本市場の主要な担い手である証券会社として極めて重要であると考えており、社内外のコンプライアンスの徹底を図っている。」とされておりました。
 しかしながら、楽天証券においては、本年6月8日付けで、上記業務改善命令にもとづき楽天証券が平成17年12月に報告した改善策及び平成18年5月に行った改善終了報告にもかかわらず、全顧客又は特定のサービス利用顧客などに影響を与えたシステム障害を含め、依然システム障害が発生しており、また、再発防止策として品質管理のための十分なレビューを実施すべきであったにもかかわらずこれを実施していなかったこと、さらには、システム障害発生時に顧客の混乱を防ぐための適切な措置を講じたとは認められないことなどを理由として、金融庁から同一問題につき異例の2度目の業務改善命令を受けるに至っております。
 しかも、楽天の5月2日付け回答においては、当社からの、楽天及び楽天のグループ会社に関する「現在進行中の」監督当局からの指摘又は調査等の有無に関する質問に対して、上記の楽天証券に対する2度目の業務改善命令の発令に向けた証券取引等監視委員会及び金融庁の指摘及び調査等が進行中であった事実には全く言及がなく、誠実に回答したものとは言い難い状況にあります。
 かかる事態や下記6.記載の野球協約違反問題についての楽天の回答を踏まえますと、当社と致しましては、楽天グループのコンプライアンスに対する意識やガバナンス体制・内部統制システムの有効性に重大な懸念を抱かざるを得ず、楽天グループの持分法適用会社となった場合には、当社がこれまで長年に亘り築き上げてきた放送局としての社会からの信用を著しく毀損するのではないかとの懸念を抱かざるを得ません。

6.野球協約違反問題について

 当社は、野球協約違反問題についての楽天のこれまでの表明は、その遵法精神、企業体質の一つの現れであると同時に、楽天の見解は、プロ野球の公共性、中立性の問題のみならず、放送局としての当社の公共性、中立性にも関連する同社の姿勢に通じるものであると考えます。
 当社が楽天の持分法適用会社になった場合、楽天グループは、楽天野球団のほか、当社の傘下にある横浜ベイスターズの2つの球団の運営に実質的な影響力を持ち得ることとなります。楽天の当社株式の保有は、既に野球協約183条に抵触していると考えられますが、当社が楽天の持分法適用会社となるような形での当社株式の保有や当社への役員派遣を希望することは、野球協約183条但書による例外的な許容の可能性もなくなることを意味すると考えられ、また、少なくともプロ野球の公共性、中立性を著しく害することは明らかです。
 しかしながら、この点に関しても、楽天は、「球団を所有する親会社は野球協約には何ら拘束されない」などとして野球協約の精神を全く顧慮せず、さらには、事情の異なる他球団の例を引き合いに出し、楽天が野球協約に違反していないと強弁するなど、その遵法精神や企業体質、公共性及び中立性に対する根本的な考え方については重大な懸念を抱かざるを得ないと考えております。

以 上